姉妹とその愛人

梅雨真っ盛りです。

映画館で『海街diary』(うみまちダイアリー)を観ました。
原作は2013年のマンガ大賞作品(原作…吉田秋生)を『そして父になる』の是枝裕和が監督・脚本し、音楽を『花は咲く』の菅野よう子が担当しているものです。
原作は現在も書き続けられていて既刊は6巻、開始から約10年が経ちます。素晴らしい作品で、教育、福祉、医療、金融、スポーツ、飲食業に従事する方は勿論、そうでない方にも、日本人なら読んでおくべき作品と思われます。鎌倉の風景の中に日本人の「生活」が丹念に描かれています。
映画の完成度は極めて高く、「日本人の家族の日常」が手抜かりなく描かれ、インパクトでは原作を凌ぎます。
物語は鎌倉に住む3人姉妹のところに主人公の異母妹である中学生の「すず」がやってきて、この「オットコマエでハンサムな四姉妹」を中心にした女の生き様が、それなりにひたむきに生きる男達の生き様をうっすら背景にして描かれております。自分の生き方をある種ストイックなまでに追求する女達と、徹しきれないでこぼれてしまった男達のアンサンブルが見事です。日本映画史上の傑作となることでしょう。
映画でも使われていた『大人のすべきことを子どもにさせてはいけません。』…思春期に母親の役割をとらなければならなかった綾瀬はるか演じる長女「幸」の身勝手な大人達へのセリフ…泣けます。ハンカチを4回使いました。

投稿日:2015年6月29日