父親と母親

またも涙してしまったるんびに学園分教室の卒業式から一月半、椿の花が落ち、水仙が終わり、桜も今は葉桜。ウグイスのさえずりも一段と大きくなりました。

春です。

先日、街を歩いていて映画館の前を通ると美しいポスターが目にとまり、映画館に入ってしまいました。
観客の8割は女性で、作品も始めから終わりまで夢のように流れていく美しい映画、ディズニーの実写版「シンデレラ」です。

王子の父もシンデレラの父も我が子を愛しています。でも亡くなってしまいます。
我が子への愛を大切にする父親は一緒には暮らせないのかもしれません。
恋の虜となってしまったとても出来の良い若い主役のふたりは、まわりの大人の苦労と心配を理解しながらも「ありのままの自分を…」と頑張ります。
継母は実にリアリティがあります。愛する人を失い、その証である娘二人を育てるためにシンデレラの父親と結婚するのですが、その彼は実の娘を深く愛していて…。その彼の死。

自分の娘達は器量・優しさにおいてシンデレラには遠く及ばないこと、自分も若さと美貌と優しさにおいて勝てないという現実。辛いでしょうね、女性として母として。そしてabuseへ行ってしまうことはよく理解できます。

思い通りにいかなくて苦悩する彼女ですが、国王を補佐する常識的な大公を巻き込み、とにかく娘達と共に生きていくのです。
人生を棒に振り家族を失う哀れな大公!、ここまでやればもう立派の一言の継母!
滅びる男、生き抜く女、圧巻の舞踏会シーン、壊れやすさの象徴としてのガラスの靴。
童話は親にとっては自分を映す鏡。年配男性は鑑賞にはハンカチをお忘れなく!

投稿日:2015年4月28日